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読書

きくちさき『しろとくろ』 書評

しろとくろ (講談社の創作絵本) 作者:きくちちき 講談社 Amazon 草花や小さな虫たちであふれかえる野原が舞台。そこに1匹の白いネコが住んでいる。「なんで くさって たくさん あるの」「なんで はなって きれいなの」と、好奇心でいっぱいだ。ある時、ネコ…

伊藤計劃『ハーモニー』感想 (ネタバレあります!)

ネタバレあります! 1.社会主義の極北 2.ミァハの企てについて 3.おわりに ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤計劃 早川書房 Amazon 1.社会主義の極北 伊藤計劃『ハーモニー』を読んだ。 少し前に放送大学の政治学の教科書を読み終わっていたん…

書評『モーツァルト:音楽家の伝記 はじめに読む1冊』萩谷由喜子著 

音楽家の伝記 はじめに読む1冊 モーツァルト (音楽家の伝記はじめに読む1冊) 作者:萩谷 由喜子 ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス Amazon モーツァルトの波乱に満ちた人生をおった伝記。神童として喝采を浴びた幼少期、就職先を求めるも…

太宰治『斜陽』を読んだ

斜陽 (新潮文庫) 作者:治, 太宰 新潮社 Amazon 心に残った一節。 ああ、お母さまのように、人と争わず、憎まずうらまず、美しく悲しく生涯を終る事の出来る人は、もうお母さまが最後で、これからの世の中には存在し得ないのではなかろうか。死んで行く人は美…

『勉強法が変わる本』感想 数学について

勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス (岩波ジュニア新書) 作者:市川 伸一 岩波書店 Amazon 認知心理学の知見を活かして勉強法を見直す本。高校生の読者向けに、主に国語の小論文、英語、数学の勉強法について具体策が書かれている。本記事はブログ筆者…

『ヨーロッパ思想入門』要約(2章まで)と少し感想

ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書) 作者:岩田 靖夫 岩波書店 Amazon 0.はじめに 1.ギリシアの思想 (1)人間の自由と平等の自覚 (2)理性主義 2.ヘブライの信仰 (1)唯一の超越的な神が天地万物の創造主である (2)神が「自己の姿似」として人間を創造した (…

青木栄一『文部科学省』(中公新書) 要約と感想

文部科学省 揺らぐ日本の教育と学術 (中公新書) 作者:青木栄一 中央公論新社 Amazon 文部科学省の実態についての本。 「教師のバトンプロジェクト」の先生方のツイートがきっかけで読みました。 1.文部科学省が失敗を繰り返す理由 2.内弁慶 3.外地蔵 4.「間…

『日本の思想』近代日本の思想と文学 要約のメモ

以前、丸山真男『日本の思想』の表題作の要約っぽいものを書いた。 mura-sou.hatenablog.com 今回、↓この本を読んだので、前よく分からなかった「近代日本の思想と文学」のメモを書きます。 丸山真男『日本の思想』精読 (岩波現代文庫) 作者:治雄, 宮村,丸山…

幻想が匂い立つ 泉鏡花を読んだ感想

ちくま日本文学全集 泉 鏡花 作者:泉鏡花 発売日: 2013/08/02 メディア: Kindle版 正直、読みにくい文章だ。 知らない言葉がわんさか出てくるし、独特の文体。 加えて話の構造も複雑で、二つの場面が同時進行したり、物語の登場人物が物語るという入れ子状に…

『歎異抄』と『死にいたる病』が似てると思った話

似てると思ったんです! 似てること1 救われることを信じること による救い 似てること2 信じることは説明できない 似てること3 個人と救い主 一対一の関係 おわりに 参考 似てること1 救われることを信じること による救い この『歎異抄』を読んだ。な…

図を多めで『死にいたる病』の読書メモ

最近、私生活に絶望気味だったので読みました。 簡単な解説のつもりの読書メモ、図多めです。 死にいたる病 (ちくま学芸文庫) 作者:セーレン キルケゴール 発売日: 1996/06/01 メディア: 文庫 1.キルケゴールの考える「自己」 2.絶望について 2-1.絶…

『日本の思想』要約っぽい感想

読みました。 表題作「日本の思想」の要約、解釈、感想が混じったものです。 日本の思想 (岩波新書) 作者:丸山 真男 発売日: 2015/12/03 メディア: Kindle版 ・ ・ ・ 本書は、あとがきで著者が述べているように、 戦争体験をくぐり抜けた一人の日本人として…

「なんで重力働くの?」ニュートン「知らん」 『磁力と重力の発見』感想

磁力と重力の発見〈1〉古代・中世 作者:山本 義隆 発売日: 2003/05/23 メディア: 単行本 磁力と重力。 この不思議な力について、紀元前7世紀の古代ギリシャから、ニュートン、クーロンによる法則の確定まで、2000年にわたる思想の流れを追った本。 凄く…

諸行無常が身に染みる。『平家物語』の感想

諸行無常、盛者必衰。 南無阿弥陀仏、南無、阿弥陀仏。 この平家物語を読みました。 平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09) 作者:古川日出男(翻訳) 発売日: 2016/12/08 メディア: 単行本 数年前、書店で見かけて、凄ーく読みたいと思った本。 そう思…

日本史トータルナビとかを読み終わる

前ブログにも書きましたが、日本史の勉強進めております。 mura-sou.hatenablog.com まずはこちら、日本史トータルナビ(以下、ナビ)を読了。竜馬のアゴが良い。 日本史トータルナビ INPUT&OUTPUT900 作者:井之上勇,以西正明 発売日: 2016/10/04 メディア: …

山には何かがいてもしょうがない「山怪 山人が語る不思議な話 」の感想

この本読みました。 山怪 山人が語る不思議な話 作者:田中 康弘 発売日: 2015/06/06 メディア: Kindle版 著者は長年マタギの取材を行っているカメラマン。 山関係、狩猟関係の現場を歩いている中で聞いた、不思議な話を集めた本だ。 純粋に不思議な話から、…