書きたいことを書きたいだけ

書きたいことを書きたいだけ書くブログ

高校数学 合成関数をレーザーの屈折でイメージする(2) 方程式F(x)=0を解く

高校数学で出てきた合成関数を、レーザーの屈折のイメージで考えてみた記事の2本目です。前の記事を先に読んで頂けるとありがたいです。

mura-sou.hatenablog.com

本記事では合成関数F(x)=f(g(x))について、方程式F(x)=0を解くことを考えます。

1.本題前の準備その1 g(x)=tとおく

議論の見通しを良くするため、以下ではg(x)=tとおく。
例えば合成関数F(x)=f(g(x))
f(x)=x^2
g(x)=x+2
と与えられていた場合、g(x)=tとおいて
g(x)=t=x+2
F(x)=f(g(x))=f(t)=t^2
と表す。

レーザーのイメージでは図1のようになる。レーザーの発射位置はxで、屈折後の位置はtで表される。

 

図1 レーザーの発射位置をx、屈折後の位置をtで表す

2.本題前の準備その2 方程式F(x)=0を解くことのイメージ

方程式F(x)=0の解とは何か。そのイメージが図2だ。

図2 x=\alphaF(x)=0の解

様々なところからレーザーを発射する。レーザーは関数g(x)により様々に屈折してy=f(t)のグラフにぶつかる。このうち赤いレーザーに注目して欲しい。赤いレーザーはx=\alphaの位置から発射され、t=\alpha'に屈折し、y=f(t)のグラフにぶつかる。ぶつかった点のy座標は0である。
この \alphaこそ、方程式F(x)=0の解である。なぜならば、F(x)=0の解とはF(\alpha)=0となる\alphaのことであり、F(\alpha)とはレーザーがぶつかった点のy座標であるからだ。

「方程式F(x)=0を解け」とは、ざっくり言うと「うまいこと屈折して、y座標が0となる位置にぶつかるような、レーザーの発射位置を見つけよう」ということだ。

3.本題 方程式F(x)=0を解く

具体的に問題を解いてみよう。

[問題]
合成関数F(x)=f(g(x))について、
f(x)=x^2-2x+1g(x)=x+2
である。
F(x)=0を解け。

解答は準備を除くと2つの段階に分けられる。
⓪準備 g(x)=tとおく
①屈折後のレーザーの位置t=\alpha'を求める
②屈折前のレーザーの位置x=\alpha=レーザーの発射位置、方程式の解)を求める
レーザーの光路を、グラフとぶつかる点から逆に辿っていくイメージだ。

⓪準備 g(x)=tとおく

g(x)=tとおくと、
F(x)=f(g(x))=f(t)=t^2-2t+1・・・(1) 
g(x)=t=x+2・・・(2)

①屈折後のレーザーの位置t=\alpha'を求める

屈折後のレーザー位置をt=\alpha'とする。レーザーがぶつかる点のy座標は、(1)より
f(\alpha')=\alpha'^2-2\alpha'+1・・・(3)
となる。これが0となればよいから、
f(\alpha')=\alpha'^2-2\alpha'+1=0・・・(4)
とし、この方程式を解くことで\alpha'を求める。式を変形すると
(\alpha'-1)^2=0・・・(5)
より、
\alpha'=1・・・(6)
となる。

図3 屈折後のレーザーの位置はt=\alpha'=1

②屈折前のレーザーの位置x=\alpha=レーザーの発射位置、方程式の解)を求める

最後に屈折前のレーザーの位置x=\alphaを求める。屈折前後のレーザーの位置の関係は式(2)であるから、
g(\alpha)=\alpha+2=t=\alpha'=1・・・(7)
より
\alpha=-1

 

以上より解はx=-1

図4 屈折前のレーザーの位置(=解)はx=\alpha=-1

4.まとめ

  • 「方程式F(x)=0を解け」とは「うまいこと屈折して、y座標が0となる位置にぶつかるような、レーザーの発射位置を見つけよう」ということ。
  • 解き方はレーザーの光路をさかのぼるイメージ。まず屈折後の位置を求め、次に屈折前の位置を求める。

 

mura-sou.hatenablog.com