天才と超天才の悲劇　映画『アマデウス』感想

天才サリエリ（F・マーリー・エイブラハム）と超々天才モーツァルト（トム・ハルス）が出会ってしまった悲劇の話。

世の人々も、時の皇帝も、サリエリ　＞　モーツァルト　と評価している。

だけど、これは、音楽「家」としての、品性や人格も含めた評価だ。

「音楽」としては、

当人たち、二人だけがそのことを知っている。

サリエリは二つのことに絶望する。

一つは、モーツァルトとの間に、決して追いつけない才能の差があること。

もう一つは、その差を認識できるだけの才能を、自分が持っていることだ。

そして、そのような運命を与えた神への復讐を決意する。

サリエリはモーツァルトに神を見る。モーツァルトが作る音楽が、神の領域にあるからだ。

だから、モーツァルトを破滅させることにより、この復讐を成し遂げようとする。

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モーツァルトは、仕事が得られなくて徐々に生活が苦しくなり、精神を病み、最後は酒浸りになって若くして死んでしまう。

それは、サリエリが経済的、精神的に追いつめたことにもよるけど、半分くらいはモーツァルトの自業自得だ。

周りのことを顧みず、行き当たりばったりの生き方をしている。

モーツァルトは死の床で、「あなたに嫌われていると思っていた、許して欲しい」とサリエリに言う。

すごく弱々しく、哀れで、神に匹敵するような才能があっても、やっぱり人間なのだ。

これには、サリエリも罪の意識でやられてしまうよなあと思った。

二人が出会わなかったら、幸せに生きられたんだろうなと思うと、悲しい。

また、死期せまるモーツァルトが口述する曲を、サリエリが楽譜に書き留めるシーンがある。迫力が凄いんだけど、二人の息がぴったりと合っていて、もしこの二人が協力できていたらなあとも思った。

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オペラシーンが豪華で、ちゃんと全編見てみたい。

モーツァルト役のトム・ハルスの「ひゃはははは」という下品な笑いが耳にのこる。いい演技だ。

あと、ヨーゼフ２世、優しい皇帝でいい人だ。モーツァルトを歓迎する曲を、一生懸命ピアノでひくところとかかわいい。

書きたいことを書きたいだけ