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！ネタバレあります！
リドリー・スコット監督の映画「ブラック・レイン」（１９８９）の感想です。
偶然、殺人事件の現場に遭遇し、日本のヤクザ 佐藤（松田優作）を逮捕する。
相棒のチャーリー（アンディ・ガルシア）と、身柄引き渡しのため大阪に向かったが、到着後の空港にて佐藤を取り逃がしてしまう。
大阪府警の警部補 松本正博（高倉健）、通称マサとともに佐藤を追うという話。
ニックは傍若無人で、いつもけんか腰、俺が正義といった感じ。
相手の立場のことを全く考えず、始めの好感度は低い。
過去の事件で、犯人から押収した金を横領した疑いをかけられている。
日本でも、権限がないのに勝手に事件現場に入ったりして、そのせいでお目付け役のマサが上司に怒られてしまう。
ほんと健さんの迷惑考えろお前！と思いながら見てた。
と、ギクシャクした関係だったが、捜査を進める中で、ニックの相棒のチャーリーが佐藤の手により殺されてしまう。
これをきっかけに、ニックとマサは協力して捜査を行い、徐々に相手を信頼するようになる。
この映画の中で一番好きなシーンは、捜査の途中、二人で一緒にうどんを食べるところだ。
うどんを食べながら、マサはニックに、金を横領したのかと聞く。
ニックは、少し迷った後、そうだ、と告白して、後悔していると呟く。
そしてまた、慣れない箸を使ってうどんをすする。
ニックがマサを本当に信頼したことが分かり、感動した。
・・・
背景のテーマに、「アメリカの価値観を押し付けられた日本」がある。
タイトルの「ブラック・レイン」は、原爆投下後の黒い雨のことだが、この強要された価値観の比喩となっている。
で、アメリカから来た個人主義とか拝金主義が原因で、佐藤のようなヤクザの掟を守らないやつが生まれたんだ、みたいな話がでてくるんだけど、この部分はちょっと違和感があった。
というのも、佐藤演じる松田優作の狂気がやばすぎて、価値観の問題というよりは、もう生まれながらのサイコといった感じだったからだ。
何をしでかすかわからない、鬼気迫る演技が凄かった。
たぶん、脚本では、もう少し普通の異常者（？）をイメージしてたんじゃないだろうか。
劇場映画作品では、松田優作の遺作となっている。
・・・
やっぱ、リドリー・スコットは画がかっこいいなあと思った。
ネオン輝く大阪は、ブレード・ランナー的な別世界感があってよい。
あと、ガッツ石松が佐藤の子分として出ていて、ちょい役なんだけど、すごくはまってていい感じだった。
好きな映画です！
余談：映画の存在はゲームセンターCXで知りました。うるせいよ！
