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総務省文書 『「政治的公平」に関する放送法の解釈について』を読んだ感想

最近この新書を読んでいた。NHKの経営に対し、政府の影響力が徐々に強まっている状況を、批判的に論じた本。

そんな折、例の文書についてのニュースを見た。文書が公開されているとのことで、気になって読んでみた感想です。

総務省のwebサイトからダウンロードできます

www.soumu.go.jp

生々しい

まず、生々しい文書だと思った。

各所で引用されてるけど、例えば次の記載。

(礒崎 総理)補佐官は本日はもともとご機嫌が悪かったのだが、いただいた縦書きの説明資料で「その後の番組」の議論が展開されており、疑心暗鬼になり、激高する結果になったものと考えている。

p.20 カッコ内はブログ筆者 追記

組織の上層部の文書ほど、直截な表現が残るものだ。この明け透けなさによるリアリティがすごい。

総務省の対応も生々しい。今回の案件は、磯崎 総理補佐官が総務省にアプローチをかけたわけだけど、総務省側にも「このまま進めたらヤバいんじゃない…?」という思いがあり、抵抗をみせる。そして、別ルートを使って官邸の動向を探ろうとする。

この時にレクをした、山田 総理秘書官の発言もすごい。

○)礒崎補佐官は官邸内で影響力はない(長谷川補佐官は影響力あるとの言)。総務省としてここまで丁寧にお付き合いする必要があるのか疑問(山田秘書官としては総務省から礒崎補佐官を止めて欲しかった?)。今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか。

p.38

今後、磯崎氏と山田氏は顔合せられないんじゃないか…

捏造?不正確?

「捏造」、「不正確」と言われていることについて意見を書く。

まず、これらの言葉で何を意味しているかについて。辞書的な意味は置いておくとして、ブログ筆者の感覚では「捏造」には意図的で悪だくみのイメージがあるのに対し、「不正確」にそのような雰囲気はない。社会的にもこのイメージだと思う。(違うでしょうか?)

その前提で、まず「捏造」ではないと思う。全78ページの文書は全体として整合性が取れており、その中に特定の意図をもたせた嘘の文書を入れ込むのは現実的でないと考える。

では「不正確」なのかどうか。これは分からない。というか、レクの録音が残っていないのなら、判断のしようがない。ただ、文書を読むと、どんな細かいことでもなるべく正確に記録しておこうという意図を強く感じる。だから「無いこと有ることにしてしまった」レベルの不正確さは、さすがにあり得ないのではないかと思う。

磯崎氏 態度の変化がこわい

磯崎氏は怖い。

始めはあくまで下手に出ているが、自分の思い通りにならないと、だんだん強硬な態度をとるようになっていく。

上記のレクの記録に「変なヤクザ」という表現が出てくるけど、言い得て妙だ思う。

webサイトの写真を見ても、なんか目が笑っていないような気がしてきた。

総務省の意図

何気に一番気になっているのが、総務省の意図。どうしてこの文書を公開したんだろう。すごい恨みを買いそう。強引なやり口に我慢できなかったのか、それとも何か計り知れない深謀遠慮があるのだろうか…

 

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