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データを見ると希望が見える 「FACTFULNESS」感想

ユニセフの2021年版世界子供白書を見てみる。表2には世界各国の子供の死亡率に関する指標がまとめられている。

https://www.unicef.or.jp/sowc/pdf/UNICEF_SOWC_2021_table2.pdf

表の一番左にあるのは5歳未満児死亡率だ。生まれた子が5歳に達するまで、確率的に1000人あたり何人が亡くなってしまうかを示している。1行目のアフガニスタンでは、1990年には178であったが、2019年には60。この30年で約1/3となった。同様にアルバニアは41から10に、アルジェリアは49から32に減少している。

表を下に見ていくと、世界のほぼ全ての国々で数値が減少していることが分かる。乳児死亡率も新生児死亡率も同様だ。

生まれてきた子供たちの命を、その親が、社会が、より多く守り切れるようになっている。これを人類の進歩と呼ばないで、何と呼ぶのだろう。

 

本書はデータに基づいて世界を見ることの重要性を説く。そして、データに基づかずに世界を見てしまう原因、人間の10個の本能について解説している。「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み=ネガティブ本能や、「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み=焦り本能が、世界を過剰にドラマチックに見せていることに注意を促す。

 

データに基づけば、物事をより正確に認識できる。より良い判断ができる。だけど、他にも重要なことがある。それは、未来への希望が湧いてくることだ。

本書には、世界がより良くなっていることをデータが示している数多くの例が紹介されている。そのような事実を知ると、勇気が湧いてくる。課題は山積みだが、きっと解決できる、なぜなら、これまでにも多くの課題を解決し、進歩してきたのだから。読んでいて前向きな気分になる。

データに基づいてシビアに現状を認識し、問題を正しく心配することは重要だ。一方で、そこに進歩を見出し、次の一歩を進める勇気を得ることも、同じくらい重要だと思った。

 

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